骨盤の周りの筋力が低下すると、なぜ腰痛を引き起こすのか

腰痛と聞くと「腰そのものの問題」と思われがちですが、実際には 骨盤の安定性 が大きく関わっています。
骨盤の周囲の筋肉が弱ると、腰椎(腰の背骨)に過剰な負担がかかり、結果として腰痛が引き起こされやすくなるのです。
🔍 骨盤周囲の筋肉の役割
骨盤の安定を支える筋肉は「コア」と呼ばれることもあり、代表的には以下の筋群が重要です。
- 大殿筋(お尻の筋肉)
→ 骨盤の後ろから支え、立ち上がりや歩行で安定性を保つ。 - 中殿筋・小殿筋
→ 骨盤の横を支え、片脚立ちや歩行でバランスをとる。 - 腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)
→ 骨盤を前から支え、腰椎の安定に寄与。 - 骨盤底筋群
→ 下から骨盤を支えるインナーマッスル。 - 腹横筋(深層の腹筋)
→ コルセットのように腰椎と骨盤を固定。



⚠️ 筋力低下で起こるメカニズム
- 骨盤が不安定になる
筋肉が骨盤を支えられなくなると、腰椎や椎間板に直接ストレスが集中します。 - 腰椎が反りすぎたり丸まりすぎたりする
骨盤の傾き(前傾・後傾)がコントロールできなくなり、腰椎のアライメントが乱れます。 - 動作の負担が腰に集中する
立つ・座る・歩くなどの日常動作で腰部の筋肉や靭帯がオーバーワークになります。 - 微細な損傷や炎症が蓄積
筋肉や関節に小さな傷が積み重なり、ぎっくり腰や慢性腰痛につながります。
🩻 解剖学的ポイント

- 骨盤が「土台」として安定しないと、その上に乗る 腰椎(特にL4〜L5、L5〜S1) が不安定になります。
- この部分はもともと可動性が大きく、負担が集中しやすい部位。
- コア筋群が機能していれば分散されるはずの力が、すべて腰椎にかかってしまい、痛みを引き起こします。
🌿 東洋堂接骨・はり灸院のアプローチ
当院では「骨盤の安定性を取り戻す」ことを重視しています。
- 手技による筋緊張の調整(殿筋・腸腰筋など)
- 骨盤・腰椎のアライメント矯正
- 鍼灸で深層筋(腸腰筋・多裂筋など)にアプローチ
- 再発予防のための体幹トレーニング指導
(例:ドローイン、ヒップリフト、中殿筋エクササイズ)
📝 まとめ
骨盤周囲の筋肉は「腰の土台」を支える大黒柱。
ここが弱ると腰椎が不安定になり、ちょっとした動作でも腰痛を引き起こしやすくなります。
腰痛改善には“腰そのもの”だけでなく、“骨盤まわりの安定”が不可欠です。
当院では体をニュートラルに戻し、腰への負担を最小限にする治療を行っています。

