急な寒暖差で起きる身体の不調に対処しましょう

東洋医学(中医学)の視点から見ると、夏から冬への季節の急な変化は、「陰陽の転換」が急激に起きるタイミングです。

そして、身体の「気・血・津液(体液)」のバランスが崩れやすい時期です。

特にこの時期は、「冷え」や「乾燥」が強まり、体表のバリア(=衛気・えき)が弱くなることで、

風邪をひきやすくなったり、古傷が痛んだり、倦怠感・不眠・便秘・頭痛などの症状が出やすくなります。


🌿 東洋医学的な対処法(体と心を整える)


① 【冷え】への対処:寒邪(かんじゃ)を防ぐ

🔸体を温めて「陽気」を補う

  • 温める食材を摂取:
    しょうが、ねぎ、にんにく、シナモン、羊肉、黒豆、山椒 など
  • 生もの・冷たい飲食物は控える
  • お風呂でしっかり温まる(足湯も有効)

🔸三首(首・手首・足首)を冷やさない

→ ここから「寒邪」が侵入しやすい


② 【乾燥】への対処:肺のケア

東洋医学では、肺は乾燥に弱い臓腑とされ、この時期は「肺陰虚(はい いんきょ)」状態になりがちです。

🔸潤いを補う食材

  • 白ごま、れんこん、梨、百合根、杏仁、はちみつ、銀杏、豆腐、松の実 など
  • 特に「白い食材」は肺を潤すとされます

🔸深い呼吸と軽い運動

  • 軽いストレッチや太極拳、気功などがオススメ
  • 呼吸法で肺の働きを高める

③ 【気の巡り】を良くする:気滞(きたい)に注意

気温の変化やストレスで「気の流れ」が滞ると、肩こり、胃腸の不調、気分の落ち込みなどが出やすくなります。

🔸気を巡らせる食材

  • 柑橘類(陳皮、みかん)、香味野菜(しそ、春菊)、玉ねぎ、三つ葉など
  • お茶なら「ジャスミン茶」や「陳皮茶」がおすすめ

🔸感情の調整

  • ストレスや憂う気持ちは「肺・肝」に影響
  • なるべく感情を溜め込まず、気晴らしを取り入れる

🧘‍♀️ 漢方の考え方(証に応じて)

不調に応じた漢方の例:

主な不調東洋医学的な見立て対応漢方例(目安)
冷え・疲れ気虚+陽虚補中益気湯、十全大補湯、人参湯
咳・乾燥肺陰虚麦門冬湯、滋陰降火湯
頭痛・肩こり風寒の侵入 or 気滞葛根湯、川芎茶調散、半夏厚朴湯
気分の落ち込み肝気鬱結加味逍遙散、香蘇散

※体質や症状に合わせて選ぶ必要があるため、漢方薬局や漢方医の診断を受けるのがベストです。


🔚 まとめ:東洋医学的セルフケアの基本

  • 「冷え」対策が最優先:陽気を守ることが根本治療
  • 季節の旬の食材を取り入れる(自然と調和する生活)
  • 過労・ストレスを避ける:秋冬は「蓄える時期」として無理をしない
  • 早寝早起きを意識する(東洋医学では「冬は早く寝て遅く起きる」が養生)